【一歩マガジン】リノベすると、家賃はどれくらい上がるのか!?

一般的には、間取りの変更や水道管・排水管の交換などの大規模な工事をした物件は、
「リノベーション物件」と呼ばれています。そんなリノベーション物件には、
貸す側には「相場よりも高い家賃で貸せる」、借りる側には「新築よりも安い価格で借りられる」
というメリットがあります。具体的な事例も含めて、記事内で詳しく解説します。
【目次】 1.まずは、リノベーションのメリットをおさらい 2.リノベ物件とリノベしていない物件の家賃の比較 ①事例1:『横浜』駅徒歩10分の賃貸物件で比較 ②事例2:東横線『日吉』駅徒歩10分の賃貸物件で比較 ③事例3:東横線『綱島』駅徒歩20分の賃貸物件で比較 3.購入と賃貸でも比較!毎月の支払い額の違い リノベーションしていない物件を借りた時 リノベ物件は資産価値が高い 4.売却するときリノベーションしたら高く売れる? まとめ |
リノベーション物件は、新築よりも安い価格で、新築並みの綺麗な物件に
住むことができます。
人気エリアの新築マンションに住みたいものの、価格が高くて手が届かないと
感じている方も、リノベーション物件であれば予算内に収まるかもしれません。
一方で、賃貸する側にもメリットがあります。
同じ条件の物件でも、リノベーション物件とリノベーションしていない物件では、
家賃が相場よりも高い家賃で貸せるケースが多いのです。
どういうことなのか、具体的な事例も含めて、分かりやすく解説します。
1.まずは、リノベーションのメリットをおさらい
当コラムでは、何度かリノベーションのメリットについて解説しましたが、
改めてリノベーションをすることで得られる効果をおさらいしましょう。
・自分の好みやライフスタイルに合わせた住まいにできる
これが弊社で一番アピールしたいメリットです。
従来の住まいに対しての常識は、「住む人がライフスタイルを家に合わせる」でした。
決められた間取りや家の雰囲気に合わせて、家具の配置や部屋の使い方を考える、
といった具合です。
しかし、中古物件+リノベーションという選択肢が出てきた今、
その常識が変化しつつあります。
もう住む人が家に合わせて生活する時代は終わりです。
リノベーションは、住む人のライフスタイルに合わせた間取りや設備はもちろん、
壁紙やフローリングの色や素材、部屋のテイストをすべて自分好みにできることが
最大の魅力です。
・物件の選択肢が増えて、新築よりも好条件で住まいを入手できる
住まいに求める条件は人によって様々ですが、新築を希望している場合、
選択肢はかなり狭まるでしょう。
中古物件、リノベーション物件も選択肢のひとつに考えられれば、
新築よりも良い条件(駅からの距離や周辺環境など)で
住まいを手に入れることができる可能性が高くなります。
・同条件の物件でも資産価値が高くなることが多い
たとえば、同じマンション内で同じ間取り・広さの部屋が売却、
または賃貸に出されていたとします。片方はクリーニングのみ。
キッチンのなどの設備も古いままです。片方はリノベーションされている物件で、
とにかくオシャレで設備も最新。あなたはどちらの物件を選びますか?
…価格次第?確かに、リノベーション物件は、リノベーションをしていない物件より
相場よりも2万円程度高く市場に出回っている物件が多いようです。
賃貸として借りる場合はこの2万円の差に悩むかもしれません。
しかし、逆にいえば、2万円多く払えば設備が最新でお洒落にリノベーションされた部屋に
住めるのです。
購入する場合は、将来的に売却するときに相場より2万円高く賃貸に出せるということになります。
そうは言っても、具体的な比較がないとピンときませんよね。
次項では、リノベーションをすると家賃は相場よりいくら高くなるのか、
リノベーションしていない物件と比較してみようと思います。
2.リノベ物件とリノベしていない物件の家賃の比較
リノベーションをすると家賃は相場よりいくら高くなるのでしょうか。
実際の事例も含めて、リノベーション物件とリノベーションしていない物件の
費用の差をみていきましょう。
検証は、以下のように行います。
1.賃貸のリノベーション物件の家賃相場を調べる。 2.同じエリアにあるリノベしていない賃貸物件の家賃相場を調べる。 3.差額の平均を出す。 |
※リノベーション賃貸検索サイトで、リノベーション物件を探します。
(仮にA物件とします)。A物件と同条件の物件が同時期に賃貸に
出されているケースは少ないので、不動産会社向けのツール「物件レポート機能」を
使用します。
A物件の近隣300m範囲にある、同等物件の過去成約事例も含めた賃貸相場から
「想定家賃(いわゆる査定額)」を求め、これをB物件とします。
A物件の家賃と比較して差額の平均を出します。
①事例1:『横浜』駅徒歩10分の賃貸物件で比較
(リノベーション済物件の詳細)
所在:横浜市西区北幸2丁目
家賃:28万円/月(家賃28万円+管理費0円)
広さ:71.41㎡
階数:9階
築年:13年
(リノベーションなし物件の詳細)
所在:横浜市西区北幸2丁目
家賃:22.5万円/月(家賃21円+管理費1.5万円)
広さ:70.08㎡
階数:7階
築年:18年
事例1/ リノベーション済みの物件の方が『5.5万円/月』高い。
②事例2:東横線『日吉』駅徒歩10分の賃貸物件で比較
(リノベーション済物件の詳細)
所在:横浜市港北区日吉1丁目
家賃:6万円/月(家賃6万円+管理費0円)
広さ:19.1㎡
階数:2階
築年:33年
(リノベーションなし物件の詳細)
所在:横浜市港北区日吉1丁目
家賃:4.2万円/月(家賃4万円+管理費2,000円)
広さ:16.8㎡
階数:1階
築年:30年
事例2/ リノベーション済みの物件の方が、『1.8万円/月』高い。
③事例3:東横線『綱島』駅徒歩20分の賃貸物件で比較
(リノベーション済物件の詳細)
所在:横浜市鶴見北区駒岡5丁目
家賃:10.8万円/月(家賃10.3万円+管理5,000円)
広さ:52.2㎡
階数:3階
築年:19年
(リノベーションなし物件の詳細)
所在:横浜市鶴見北区駒岡5丁目
家賃:7.3万円/月(家賃7万円+管理費3,000円)
広さ:53.8㎡
階数:2階
築年:20年
事例3 / リノベーション済みの物件はの方が、『3.5万円/月』高い。
3.購入と賃貸でも比較!毎月の支払い額の違い
同じ条件の物件で、リノベーション物件とリノベーションしていない物件が
あるとします。
購入と賃貸では、月々の支払い額にどのぐらい差があるのかも調べてみましょう。
◎Aマンション(横浜駅 徒歩10分)
所在:横浜市西区楠木町4丁目
築年:20年
■賃貸 [リノベーションなし]
広さ:84.8㎡
階数:7階
家賃:23.8万円
管理費:なし円
■購入[リノベーションあり]
広さ:84.8㎡
階数:5階
物件価格:6,480万円
↓↓↓
◎月々の支払い
住宅ローン:16.8万円/月
管理費:15,590円/月
修繕積立金:12,860円/月
合計:19.7万円/月
■結果
賃貸 [23.8万円/月]-売買 [19.7万円/月]
=差額4.1万円
リノベーション済みの物件を購入した場合、
賃貸よりも4.1万円安く住める!
しかも賃貸の場合は、2年に1度の更新時期に家賃2か月分支払う必要もありますから、
同じ条件の物件ならリノベーション物件を購入した方がお得ですね。
もちろん、購入する場合は固定資産税などのランニングコストがかかりますが、
物件は自分の資産として残ります。
賃貸はいくら家賃を払っても何年住んでも自分の物にはなりません。
4.売却するときリノベーションしたら高く売れる?
ここまで、リノベーション物件は賃貸に出すときに相場よりも高く貸せる
(資産価値が高くなる)ことを解説しましたが、「自分が物件を売却するときにも
リノベーションしてから売った方が高く売れるのかな」とお考えのあなた。
ちょっと待ってください。正直、一般の方が売却前にリノベーションをするのは
おすすめしません。基本的に、リノベーションをした金額以上に高く売れるケースは
稀なので、相場よりも高い家賃で貸すことはできても、高く売るための手段にはならないと
お考えください。
まとめ
借りる側にも貸す側にもメリットが大きいリノベーション
貸す側としてはリノベーションで物件の価値を高めて、同条件の物件より
高く貸したいという気持ちがあるのが事実ですが、中身は新築並みにキレイなのに
新築よりも安い家賃で借りられることが多いのです。
貸す側には「相場よりも高い家賃で貸せる」、借りる側には「新築よりも安い価格で借りられる」、
双方にメリットがあるリノベーション物件。
今後ますます人気が高まることでしょう。
2020.12.07